日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

10月5日例会予告

議題:「日用云為神道の妙理ニあらすといふことなし」-龍煕近の「神」と「神道」
報告者:蕭 月

参考文献:
西川順土校『神道大系 論説編六 伊勢神道(中)』、1988年
陳淳『北溪字義』中華書局、1983年
土田健次郎『江戸の朱子学』筑摩書房、2014年
高田真治・後藤基巳訳『易経(下)』岩波書店、1969年
黒住真『近世日本社会と儒教』ぺりかん社、2003年
向世陵「論朱熹的心之本体与未発已発説」(中国語(『湖南大学学報』(社会科学版)、26-1、2012年
斎藤英喜『荒ぶるスサノヲ、七変化<中世神話>の世界』吉川弘文館、2012年
『朱子語類』第一冊、中華書局、1986年
溝口雄三『中国思想のエッセンス」岩波書店、2011年
溝口雄三編『中国思想史』東京大学出版会、2007年

よろしくお願いいたします。
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7月20日 例会予告

7月20日の例会は二人構成となります。

課題論文:大谷栄一「昭和初期の「新しい仏教」をめぐる動態――伝統仏教・新興仏教・反宗教の交渉と葛藤――」(『近代仏教という視座』ぺりかん社、2012年)
報告者:吉水希枝
報告要旨
 本テキストは『近代仏教という視座』の第Ⅰ部の第三章にあたり、部第二章で論じられた明治20年代に登場する「新しい仏教」を掲げる活動や言説について、明治期の「新しい仏教」の継承と位置付ける新興仏教青年同盟のメンバーの言説と活動を分析する。新興仏教青年同盟は1931年に仏教社会運動家・妹尾義郎によって結成された団体である。彼らの言説や活動の分析を通してビリーフ(概念化された信念体系)中心主義的な「狭義の近代仏教」である彼らの言説がそのほかの同時代的な諸勢力との関係の中でどのように形成されるかを論じる。
 本報告では本テキストの要約・考察を通して昭和初期の近代仏教(とくに著者の分析対象たる「狭義の仏教」)をめぐる様相を考察したい。

【参考文献】
・『仏陀を背負いて街頭へ――妹尾義郎と新興仏教青年同盟』(岩波書店、1974年)
・赤澤史朗『近代日本の思想動員と宗教統制』(校倉書房、1985年)
・磯前順一『近代日本の宗教言説とその系譜――宗教・国家・神道』(岩波書店、2003年)
・大谷栄一『近代仏教という視座』(ぺりかん社、2012年)

以上よろしくお願いいたします。
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7月20日 例会予告

テキスト:第四章「東アジア近世世界の思想史的成立」大桑斉『近世の王権と仏教』思文閣出版、2015年
報告者:向静静
要旨:
本テキストは、儒教の研究者でもなく、中国・朝鮮思想史の研究者でもない大桑氏は、日本の江戸という時代の思想、仏教や民衆思想を考えるには、同時代の東アジア世界を捉えることが必要であると指摘した上で、その必要に迫られて考えたことについて論じたものである。テキストは、東アジア世界の成立、<心学>世界としての東アジア世界の形成、東アジア世界の変動と解体の始まり、という三つの主題をめぐって議論されたものだと思われる。考察の部分では、本テキストで取り上げられた、鈴木正三の仏教思想、壬辰倭乱と明清交替を契機に形成された朝鮮王朝後期(17〜19世紀)のいわゆる小中華意識についての日韓間での研究史の整理、日本近世の心学の特色などについて考察を行った。

参考文献
朴衷錫・渡辺浩編『国家理念と対外認識17−19世紀』、慶應義塾大学出版会株式会社、2001年5月
加藤みち子『鈴木正三の仏教思想』勉誠出版、2010年1月
吉田公平著『日本近世の心学思想』研文出版、2013年3月
井上厚史『韓国近代儒教改革運動における近代的思惟の形成 ―西洋・中国・日本の果たした役割―』、『北東アジア研究』第10号、2006年1月
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7月6日 例会予告

議題:向井元升『知恥篇』の史料翻訳・解説・考察
報告者:黄薇姍(こうびさん)

要旨:
近世初期に長崎を舞台に活躍した儒医の向井元升(玄松、1609-1677)は、著述が医学・本草学・天文学・暦学に関するものが多いため、長崎郷土史および近世の医学、天文学においてよく知られていたようである。しかし、彼の『知恥篇』(1656)には、神道崇拝の立場から、仏教・キリシタン批判、とりわけ隠元の来日事項などに関する議論がなされており、元升の神道・仏教・キリスト教に関する宗教観を読み取れるわけであるものの、思想史研究においてはその史料を問題視されていない。本報告は、元升の『知恥篇』という史料を中心に、内容全体を紹介したうえで、全文の主旨が読み取れる「知恥篇引」(添付ファイルをご参照ください)と隠元の渡日や黄檗禅に対する批判するものを現代語に訳す。史料の翻訳を踏まえ、元升の神道的立場から明から渡来した隠元やその明風の仏教への批判的議論を分析し、元升の宗教観およびその中に見て取れる自他認識を検討してみる。

参考文献:
向井元升『知恥篇』(木村得玄『黄檗宗資料集成』<第二巻>春秋社、2015年、5~124ページ)。
菰口治「向井元升の『知恥篇』素描ー神道・仏教・キリシタン観ー」(『中国哲学論集』(19)、1993年10月、54~69ページ)。
平久保章『隠元』吉川弘文館、1989年。
木村得玄『黄檗宗の歴史・人物・文化』春秋社、2005年。
若木太一編『明清時代の長崎』勉誠出版、2013年。
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6月22日 例会報告

題目:覚書:李能和『朝鮮仏教通史』からみる朝鮮仏教

報告者:朴海仙

報告要旨
李能和の『朝鮮仏教通史』(1918)は、古代から1916年に到るまでの韓国仏教史を
記述した労作であり、韓国最初の仏教史料集である。しかしながら、朝鮮史編集委員会などの履歴から李能和に烙印された親日のイメージと、漢文体に書かれたテキストの解読における難解さなどが相まって、本史料集に関する検討が十分なされたとは言い難い現状である。
本報告では以上を踏まえながらも、特にこの史料集でもっとも多き分量をなす朝鮮仏教の叙述を紹介し、その特色を捉えることを試みとする。

宜しくお願い致します。
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