日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

6月14日例会報告要旨

6月14日例会の報告要旨についてお知らせします。

よろしくお願いします。

【報告要旨】
本報告では丸山真男『「文明論之概略」を読む』中 の要約を行った。伝統的歴史方法論への批判から始まり、バックルに依拠しながら歴史を科学化する必要性を述べ、新たな歴史方法論として個ではなく集合体で考えそこに規則性、法則性を見出すことを述べている。

また、智徳に関する章では、智と徳を4つに区別し、さらに絶対か相対化、不変か進化か、などの違いをあげ、智と徳を説明している。

本報告は内容要約ということで、福沢の「文明論之概略」の説明になり、丸山本人の思想を読み取ることは困難だった。しかし丸山は智に関してInformation(情報)‐Knowledge(知識)‐Intelligence(知性)‐Wisdom(叡智)というレヴェル分けを行っている。丸山は、現代の情報社会では、情報偏重となり知恵が不足している。そのため、クイズに答えることができる人は多いが、時代状況に応じた判断を下すことができる人は少なく、情報レヴェルの問題には対処できるが、原因や判断といった知識レヴェルの問題に対処できない、つまり叡智を三角形の底辺とし頂点に情報が来る構造が情報最大・叡智最小の逆三角形になっていると指摘する。

こうした箇所から丸山の福沢に対する考えや思想の一端が読み取れる可能性があると思う。

文責:赤間宏貴

PageTop