日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

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5月24日例会討論要旨

昨日の例会にて行われた報告の討論要旨について、お知らせします。

【討論要旨】

本日は松本智也氏により「丸山真男『現代政治の思想と行動』第二部「イデオロギーの政治学」」という題で報告が行われた。松本氏は第二部を①ロシア革命からスターリン批判にいたるまでの政治観を、ラスキを援用しつつ分析したものと②ファシズム、ナショナリズムなどの政治概念の分析をしたものとに分けて整理した。前者には竹内好の「近代の超克」論、キルケゴールの問題提起を、後者には丸山と対比するため竹内の「方法としてのアジア」論、及びその両者を対象とした大澤真幸の評価を扱いながら、丸山の評価を試みた。

討論の主な内容は松本氏が丸山と対比した竹内の論に関するものであった。松本氏に対して、まず竹内を取り上げた理由についての質問が出た。これに対し、松本氏は丸山のアジアへの視点の欠如を問題化し、丸山と同時代のアジア論として竹内を取り上げたと答えた。松本氏は両者を読み比べた上で、次のように違いを整理した。丸山はヨーロッパをそのまま日本に平行移動させ、移植しようとしている。それに対して、竹内はヨーロッパを分析するために、アジアを方法として用い、ヨーロッパ近代観では理解しえぬアジア像を提示した。また、本書の各論文の初出の時期が一番古いものから一番新しいものの期間が10年程度開くため、その間の丸山の思想の変化があるのかという疑問が提示された。それに対しては、戦前・戦後占領期において圧倒的な支配力をみせた政治に対する危機感と民主主義の確立という問題意識は一貫しているのではないかという意見がでた。
           
文責:石原和

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