日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

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2015年11月14日 修士論文構想報告会 報告要旨

 周知の限り、日本の近代化を解釈する上で、福沢諭吉(1835~1901)は避けては通れない人物である。女権論や家庭観から国家観まで、福沢諭吉に対する研究は百花斉放、汗牛充棟になった本日に至って我々はまだ氏を取り上げ議論するのは、日本の近代化を激しく推進したことだけではなく、氏の影響は日本を超え、東アジア、特に儒教文化が主導的な地位を占めていた中国、朝鮮の近代化にも避けては通れないのである。
 いうまでもなく、「福沢諭吉が中国の近代化における影響」というのは、「教育・啓蒙思想の隣国流入」と「「東亜悪友を謝絶するための戦争鼓吹」という両義的なものである。しかし近年の中国に溢れている福沢論を取り上げて見れば、福沢の「脱亜論」における侵略性に一方的に落ち込んで、侵略主義者である福沢像を構築しようとする傾向が明らかに見える。こういう「一面的な福沢像」に落ち込む危険を避けることも一因となり、本報告は福沢が中国の近代化における影響の両義性を中心として議論するのではなく、かえって日中の文化交流が活発になって清朝末期という福沢像に対する構築の発端期にもどり、この時期における福沢像の特色を理解する上で近年の中国に構築された福沢像と結合しながらその思想史的意味を検討していきたい。

文責:龍蕾

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