日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

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2015年10月15日 例会報告要旨

 本報告では、一八〇〇年前後の宗教社会の力学の中で、如来教がどのように他宗教やその利益と対峙し、レゾンデートルを確立したのか、そしていかにして自らの世界観の中で語ったのかを史料に則してその具体的様相を明らかにしようとした。そのために、本報告では、如来教の説教に何度も登場する他の世界観を持つ信仰の中でも、秋葉信仰に注目し、その広がりと、秋葉講の様子を明らかにした上で、それに対峙した如来教の反応を考察するという方法をとった。同時代的に隆盛を迎えた秋葉信仰を前にして如来教は次のような過程を経て秋葉信仰を取り込んだ。如来との「お話」の有無を基準に金毘羅と秋葉の上下関係を明確にし、このたびの一切の救済の担い手として金毘羅を位置づけることにより、秋葉から火防の利益を引き剥がし、金毘羅の利益の中に包摂した。その結果、火防の利益もまた如来教の方法で得られるものとされた。如来教はこのような過程を経て、他信仰の利益を再解釈しながら利益を総合化して、より多くの人々を取り込んでいったと考えられる。

文責:石原和

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