日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

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2015年7月2日例会討論要旨

7月2日松本報告(ホブズボーム『帝国の時代』1、野口建彦・野口照子訳、みすず書房、1993年、序章・第1章・第2章)の討論では、まずレジュメ中に引用された文言に関する確認などがなされた後、報告者が論点として挙げた「歴史と記憶との関係―現代史への視覚」、「歴史学と経済学との関係―方法論的問題」に対する質問が出された。
前者については、「1980年代にその70年前である1914年について考えようとした。2015年に生きる我々が70年まである1945年を考えるヒントになりはしないか。」という論点に対して、帝国主義時代を生きたホブズボームにとっては、執筆当時の時代性から70年前の1914年を考えたのであって、スライドするように1945年について考えるということは問題ではないかという疑問が出された。これについて報告者は、記憶とその消失という問題があり、またその記憶をもつ人々が現代を作ったわけであり、その影響力などについても考える必要があるとして提起したと応答した。後者については、ホブズボームが指摘する歴史学と経済学の分離の問題は、マルクス主義的な経済分析の観点から生じたものかという質問が出された。報告者からは、単純な計量的な分析ではない、例えばA→Bへと変化することを説明することの重要性からだとの返答がなされた。
最後に、歴史と記憶との関係に関連して、マルクス主義とホブズボームのナショナリズム研究との関係についての質問が出た。これに対しては、ホブズボーム自身の経験、あるいはアンダーソンなどのとの比較から考えることができるのではないかとの回答を受けた。
(文責:山口)

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