日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

2015年5月14日討論要旨

5月14日安久報告に対する議論では、まず内容に対して、ホブズボームの革命戦争後の諸様相に対する評価に対して疑問が呈され、そこにホブズボームの二度の世界大戦の戦後処理に関わる痛切な反省が表れているという意見が出た。また、ホブズボームのナショナリズム論について、政治過程について論じているのみであって、その後の著書である『創られた伝統』やベネディクト・アンダーソン『創造の共同体』と比較して、まだまとまった議論となっていないのではないか、言語への注目という点においても古くは1920年代からあるものであって、当時の欧米におけるナショナリズム論においても、特別あたらしいものではなかったという点が指摘された。安九氏の提起した論点、アジアに対する目線という問題に対しては、中心に据えて語られたものがないため、それを考察するのは難しいという指摘が出た。その一方で、日本語版所序にある日本への言及をどう考えるかという新たな論点も提起された。

文責:石原

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