日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

2014年10月16日例会報告要旨

本報告では、酒の宗教性と東照宮祭祀に見られるような徳川将軍家の神・神事意識に着目し、江戸城正月参賀儀礼で執り行われる酒を用いた儀礼に関しその特質を見出そうと試みた。近世以前の祭祀・儀礼では、酒に神と人をつなぐ役割があったということを述べるとともに、17世紀初頭の江戸城正月参賀における酒の儀礼についてその実態と成立過程について史料批判等を通じて考察した。最後に、東照宮祭祀での酒の儀式について言及した上で、近世武家社会でも酒を用いた儀礼には宗教性、神意識が強く作用していると結論付けた。討論では、特に、筆者の卒業論文論旨、問題の所在について未だ不明瞭な部分が多く、どこにオリジナリティ、先行研究との差異があるのか現状把握できないことや、酒を取り上げることの意味はどこにあるのかということなど多数の貴重なご指摘、ご助言をいただいた。残された期間これらの意見を参考に作業を進めたいと考えている。

文責:安久

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