日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

埼玉合宿のご報告とお礼

【埼玉合宿のご報告とお礼】
 日本思想史研究会は、8月5~7日の日程で埼玉県にて合宿を行いました。以下に、その概要をご報告します。

 今回の合宿は、東北大学に在籍の本会の関係者から研究交流が提起され、協議のうえ東北大学文学部日本思想史研究室の共催とし、今後も継続的に行われることを願って「第1回歴史学・思想史合同研究報告会」として開催しました。会場および2日目のフィールドワーク先は埼玉大学の井上智勝先生にお世話いただきました。当日は8大学から大学院生を中心にのべ23人の参加者を集め、無事成功しました。
 第1日目は、午後から日程を開始し、研究報告を行いました。まず、東北大学の安江哲志氏と立命館大学の朴海仙氏が研究報告を行いました。新たな視座の提起と今後の発展を期待させるご報告であるとともに、時代・分野を超えた質疑応答が繰り広げられました。続いて、東北大学の若色智史氏と総合研究大学院大学の西田彰一氏が、三谷博『愛国・革命・民主』(筑摩選書、2013年)の書評報告を行いました。本書の特徴と視角の有効性について論じつつ、質疑応答を含めて本書の意義と課題について討論しました。終了後、懇親会を行い若手研究者どうしの交流を深めました。
 第2日目は、埼玉県下でフィールドワークを行いました。川口市立文化財センター分館郷土資料館(旧・鳩ケ谷市郷土資料館)で富士山信仰の一つである不二道の説明を受け、また地蔵院(慈眼寺)、さらに移動して志木市にある富士塚・羽根倉富士嶽を見学しました。ここから移動して、日高市の高麗神社まで足を運びました。いずれも今日まで伝わる伝統的信仰の姿を学ぶ、思想史学ならではの関心に基づくフィールドワークでした。
 第3日目は、国立ハンセン病資料館の見学を行いました。ハンセン病をめぐる差別と患者の生を真摯に受け止め、日本近現代史の一つの側面について学ぶ有意義なものでした。以上で全日程を終了しました。

 この度の研究報告会の開催にあたり、埼玉大学の井上智勝先生および井上研究室の皆さまには多大のご協力を頂きました。会の成功はかかって埼玉大学の皆さまのおかげであり、この場をお借りして深く感謝申し上げます。また、東北大学・千葉大学・立命館大学の諸先生方にも、様々なご支援・ご助言を頂きました。厚く御礼申し上げます。さらに、遠方よりご足労いただいた参加者の皆さまにおかれましても、運営の不手際にも関わらずお付き合いいただき、ありがとうございました。

 今日、世界的には「アラブの春」から中東・ウクライナの混乱や、国際的金融危機とその余波が続いています。国内的にも、3.11から安倍内閣の特定秘密保護法、集団的自衛権容認の閣議決定など、私たちが歴史の重大な岐路に立たされていることは明らかでしょう。こうした社会の激流のただ中にあって、歴史学・思想史学を共有する私たちの学問的営為も、また厳しく問われています。明日の研究を担う若手研究者が集うことは、この点でも大きな意味を持っていたものと理解します。
 今回の開催にあたって、「歴研、日本史研などのサマーセミナーに負けないような、若手院生による思想史合宿の端緒になれば」という励ましを受けました。ここに研究報告会が無事に成功したことをご報告するとともに、今後の会のさらなる発展および次の合同の取り組みが叶うよう微力を尽くす所存です。今後とも皆さまの暖かいご支援・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願いします。
                     日本思想史研究会

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