日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

11月14日例会報告要旨

今回、「近世京都の成立と都市の発展―祇園社門前町を中心に―(仮)」という論題で報告を行った。先行研究においては近世京都の成立を、豊臣秀吉による都市改造(=京都改造)を近世京都の成立とする見解が主流であると思われる。京都改造とは京都の都市構造の変容であり、町の拡大・都市構造の変化につながった。秀吉による都市改造後、16世紀後半から17世紀前半における人口・町数の増加によって、鴨川両岸や鴨東地区で東側への市街地の拡大が見られるようになり、17世紀から18世紀初頭にかけて、鴨川に沿って建築されていた御土居が崩壊を始める。これを機に鴨東地域の寺社領が市街化されることから、祇園社門前町の一つである祇園新地(外六町)の成立もここにみることができる。このように都市改造後にも市街地の拡大・整備が続いていくことから、近世京都の成立を検討するうえで、京都改造の完成とその展開を追うだけでは、京都の近世都市化の萌芽を示すのみで近世京都そのものを論じることができないのではないだろうか。
こういった近世京都の成立に対する見解をふまえた上で、17世紀から18世紀にかけての京都における町の整備、新地開発との関係から近世祇園社門前町の形成と発展を再検討する必要があると考える。町の形成と発展を考察することで、京都の都市空間にあらわれた「近世」を明らかにしたい。

文責:平賀

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