日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

11月14日例会討論要旨

今回の報告は、「近世京都」と祇園社門前町の歴史的性格を考察する前提として、報告者の問題意識の方向性を明らかにするために、主に先行研究の整理を中心にした報告だった。討論では、まず京都における「近世化」とは、いかなる性格のものであり、また、報告者がイメージしている「京都」とはどのようなものなのか、という指摘がなされた。また、従来の「都市史研究」の蓄積も鑑みた、史学史的な分析も必要ではないか、という意見も合わせて出された。さらに、江戸時代における祇園社の性格に関する質問も提起され、今後はどのような史料を中心にアプローチするのか、という質疑も行われた。報告では、「観光」というキーワードが出てきたこともあり、江戸時代の宗教都市の「観光化」の問題と、近世京都の問題とを、いかにリンクさせていくのか、という指摘もなされた。また、具体的な問題として、報告者は、祇園社門前町を主題にして、その「社会構造」に関心があるのか、あるいは、「観光」や「名所記」に見出されるような、同時代における「外から見た京都」に関心の所在があるのか、という方向性に関わる議論もなされた。報告者は、「社会構造」に力点を置きたいという旨の返答がなされた。最後に報告者による報告自体の感想が述べられ、質疑応答を終えた。

文責;岩根

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