日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

11月7日例会報告要旨

回は、地獄思想の受容について報告した。「地獄」に対して、宗教学においては「連続的他界観念と断絶的他界観念」として分かれている。古代日本は連続的他界観を持っていたと言える。本稿では仏教の地獄観即ち外来宗教の地獄観念がどのように受容されたか、仏教作品を通して論ずるものである。まずは日本古来の「地獄」思想を整理し、その上で『日本国現報善悪霊異記』における地獄観を分析する。霊異記の地獄の特徴は三つである。一つ、現世との境の曖昧さ、二つ、黄泉との交錯、三つ、地獄の具体化の貧弱さである。ここで私が取り上げたいのが一つ目の特徴である。筆者は霊異記における地獄の解釈は、曖昧さではなく、水平的自然に広がっていく空間である。先行研究を見ると、現世と地獄との境が曖昧な説が多くある。そして『霊異記』におけるもう一つ重要な地獄観は現世地獄である。前述のとおり、古代日本の「地獄」観念を踏まえて日本最初の仏教説話集-『日本霊異記』にあらわれた地獄を分析し、その水平性及び現世性を注目しながら見てきた。そして、霊異記の独特な地獄観を通して景戒の地獄思想を検討する。本稿最終的には、天台智顗の他界観(地獄を中心に)と景戒の地獄観を分析したい。

文責:胡

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