日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

10月10日例会討論要旨

今回は風間健氏による「丸山眞男の思想」についての報告があった。

まず、報告に対する質疑の前に、司会から報告者に、今回の報告における研究史整理について補足説明を求めた。報告者からは、90年代までの丸山研究を4つのパターンに分け、近代化、国民国家批判などそれぞれの立場の問題点を挙げた。

最初の質疑では、まず「丸山眞男の思想」という題名について、卒業論文の題名なのか、本報告用の題名なのか確認された。報告者は、まだ問題意識がはっきりしない段階なので、大きな題名にしたと答えた。これに対し、章立てなどはどうするのかと質問があったが、報告者は具体的なものはまだ用意できていないと答えた。

次に、本報告の問題の所在はどこにあるのかとの質問があった。報告者は、丸山の著書がまとまった形で90年代以降に刊行され、丸山の全体像を見ることが出来るようになった状況があり、もともと日本の近代を考えたいという関心の中で、今回の報告を行ったと答えた。これに対し、従来の丸山論との差異は何かという質問が行われた。報告者は、丸山を歴史的な思想史の流れで考えたい。その中で、従来丸山論の中で「本店」、「夜店」と呼ばれるものの関係性を重視することで、観念的なものだけで論を立てないようにしたいとした。

本報告の中で、図式化されたものがあるが、この根拠を示してほしいとの質問には、報告者は、今まで報告者が丸山の著作を読んだ中で作り上げたものだとした。

ここで、改めて報告者が丸山を取り上げる意味を問う質問が出た。報告者は、日本人にとっての近代とはなんなのかを考察する上で、日本人が近代の体験をどのように語っているかを見たいのだと答えた。これに対し、学問的な問いとしてもう少し深めるべきとの指摘があった。また、内容の要点について問う声があった。報告者は、丸山は近代を相対化したが、それに対する答えが丸山にないのではないか。なぜ答えを出さなかったのかという所を自分なりに考えてみたと答えた。

これを受け、思想史の方法論として、歴史的な文脈をまず把握する事が必要ではないか、「近代」を語る場を考えるべきではないのかという質問が出た。報告者は、その通りだとし、「箱根会議」を手がかりにしたいとした。

文責 宮本敦恒

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