日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

11月22日例会許報告要旨

今回の報告においては「明治期におけるフィロソフィー受容問題―井上円了を中心に」というタイトルで論文作成の最後段階として発表させていただいた。要点としては井上円了の著作で多くみられる二元論的理解がどこから由来したのかという問題をもち、それが西洋哲学から由来したものではなく、むしろかれらの形而上下的理解から由来したものとして捉えた。その他の例として井上哲次郎の『西洋哲学講義』(1883)や朝鮮の性理学者である李寅梓の『古代希臘哲学攷辨』(1912)を挙げた。

議論点としては井上円了における仏教と哲学の関係や妖怪学を提唱した理由などがあったが、最も重要な議論的としては井上円了の二元論的分離がどのように解決されるのかという問題に関してはそれが国家主義に迫っていくとすれば、「観念」または「思想」という形而上的概念と国家との結着性がみえてくるのではないかという問題であった。しかしこの点はまだ明確にされていないので、当時の宗教と国家の関係を視野にいれる必要があるという指摘をいただいた。

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