日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

11月15日例会西田報告要旨

本報告では、近代の神道思想家である筧克彦がどのように身体をとらえようとしたのかについて、『日本体操』という著作をめぐる議論を中心に考察した。

筧克彦は、法学者でありながら神道の思想を説いたため、一般的には神がかりの特殊な人物として扱われている。だが、筧は皇室や農本主義とも密接な関わりをもっており、単に特殊とするだけでは扱いきることはできない。そこで、報告者はまずは筧が農本主義者たちと接点を持った『日本体操』を研究することで、筧がどのような論理を用いて、その神道思想を説こうとしたのかについて考察した。

筧の日本体操の要点は、①生命主義的な世界観②記紀神話の世界への上昇、祈祷、天岩戸神話、天孫降臨神話を身体で表現する③児童、中学生、一般人、青年と段階別の解説④

「ひと笑ひ」、「天晴れ、おけ」からの拍手、みことのりの復唱、弥栄(いやさか)の唱和などの独自の身体操作と主に四点に分けることができる。本報告では筧の思想にどのような意味があったのか、またなぜこのような身体観を生み出したのかについてまでは考察を進めることができなかったが、こうした独自の世界観をもった筧の身体論の独自の世界を解明することによって、どのような世界観を独自の神道理解で築こうとしたのか考えたい。

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