日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

11月9日例会討論要旨

今回は、Marra Salvatore氏が「世界システムと東アジア」という題で報告された。

 まず、報告者が山下範久の議論に即してウォーラーステインの議論を説明したことに関して、両者をどう理解しているのかが問われた。これに対して、山下は帝国の分離を指摘したものの、報告者は16世紀に世界中で人口減少といった類似の現象があったため、経済と帝国は分離しないとレスポンスがあった。

 次に、朝鮮侵略について、報告者は中国側の史料を読んだのか、確認の質問があった。この時点では、報告者は読んでいないとのことであったが、フロアからは、報告者の研究にあまり関係ないので突破口として朝鮮侵略を扱うべきという意見が出た。一方、理論派である山下と史料を読み込む村井章介を触れると、議論が大きくなるため、世界システム論ばかりを触れることに疑問を呈するものもあった。

 また、報告中に出てきた「明の回復」に関して、明への救援の是非をめぐる質問が出た。これについて、フロアから日本は明より清を優先したのではないかという意見が出た。別の意見として日本と朝鮮では事情が異なるので細かくると差異があるのではないかと指摘があった。

 さらに、報告者が世界システム論などを使う理由と、それへの応答に関して、欧米における世界システムの使用頻度の質問が出た。この質問への回答は、90年代から増加していったものの、朝鮮侵略は最新のものが30年前なので、少ないことを指摘した。最後に、朝鮮侵略と世界システム論をあえて関連付ける意義が問われ、方法として世界システム論を使うことが明示された。

文責:坂元

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