日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

10月11日例会討論要旨

【討論要旨】

今日の報告は、近世史の研究において、「幕藩官僚制」という視座から、徳川幕府の行政システムが検討されてきたことを踏まえた上で、従来は武士身分の人々をその担い手と見做してきたが、僧侶・儒者・茶人などの「坊主衆」と呼ばれた集団への位置づけが曖昧であることに着目し、彼らの歴史的意義を探ろうとするものだった。

質疑応答では、先行研究における「幕藩官僚制」という用語が、現段階で妥当な解釈であるかどうか、という質問がなされた。さらに江戸時代に「官僚制」という用語を使用することの意味合いについても質疑が行われた。また、「坊主衆」は、「家産的・世襲的」な性格を帯びていたのかどうか、ということも議題になった。また、当時における「坊主衆」たちは、全ての担い手が徳川幕府に仕えていたのかどうか、という基本的な質問もなされた。また、参考史料として挙げられた「絵図」と「地図」の違いについても指摘がなされた。本報告は、学内で行われる学会例会のプレ報告という位置付けでもあるため、報告者から、「より分かりやすくするためには、どのような工夫をすればいいのか」というフロアに対して求める場面も見られた。本報告は様々な可能性を秘めたテーマであり、活発な議論がなされたように思われる。

文責:岩根卓史

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