日本思想史研究会(京都)のブログ

本研究会は立命館大学を拠点に、歴史学・思想史の問題について時代・地域に捉われることなく、深く考えていく場として設立されました。2014年度後期例会は、個人研究テーマ報告です。

上田学『日本映画草創期の興行と観客-東京と京都を中心に』刊行記念トークショー

本研究会OBの上田学さんが、下記のイベントを開催します。

ご参集いただければ幸いです。

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上田学『日本映画草創期の興行と観客―東京と京都を中心に』刊行記念トーク・ショー
日本初期映画のプラクティス――興行・観客・都市――

日時:2012年7月28日(土)18:30~20:30
会場:MEDIA SHOP
京都市中京区河原町三条下る一筋目東入る大黒町44VOXビル1F
料金:500円
ゲスト 上田 学(早稲田大学演劇博物館招聘研究員・立命館大学客員研究員)
司 会 松谷容作(立命館大学映像学部・先端総合学術研究科非常勤講師)
質問者 篠木 涼(日本学術振興会特別研究員)/林田 新(京都精華大学・関西大学非常勤講師)
主催:視聴覚文化研究会
https://www.dropbox.com/s/16zm3k65yeb70a2/cinema.pdf

現代の日本において、私たちは映画館に向かい、映画作品を楽しんでいます。けれども、一〇〇年前の東京や京都でも、同じように人びとは、映画を受容していたのでしょうか?一九〇〇年代の日本映
画の草創期については、古くから歴史化の作業が行われてきた。そうした作業は、同時代の日露戦争
(一九〇四~〇五)や国家の発展を重要視し、それらと映画産業の拡大とを重ね合わせ、日々直線的に進歩する発達史の描出であった。
上田学氏の近著『日本映画草創期の興行と観客――東京と京都を中心に』は、そうした単線的な歴史描写に疑問を投げかけ、誕生期の日本映画における映画、興行、観客、都市(東京・京都)の複雑な
ダイナミズムを同時代の膨大な資料から明らかにしていく。そのとき、日本映画草創期とは、映画の製作、流通、受容のプラクティス、言い換えれば、それらの実践の反復を通じた慣習化とその変容と
して描かれる。ではその慣習化と変容は具体的にどのようなものであったのか?また現代の私たちの映画経験とどのような関係にあるのか?本レクチャーでは著者である上田学氏をお迎えし、聞き手・
参加者の皆様とともにこうした問題を議論していきたいと思います。
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文責:岩根卓史
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2012年度前期例会は終わりました

先週の例会にて、本年度における前期例会の日程を終えました。

「丸山眞男を読み直す」というテーマでしたが、

丸山眞男という思想史家を本格的に読解するのは、

膨大な論考と丸山自身の「思惟」そのものを理解しなければならず、

駆け足にならざるを得ませんでした。

丸山の思想に対してどこまで迫れたかは、甚だ心許ありませんが、

丸山眞男の思想が持つ「求心力」は未だに大きいことを実感した次第です。

前期例会にてまだ提出されてない要旨や、夏季合宿・会報最新号につきましては、

改めてお知らせします。

今後とも温かいご支援のほど、よろしくお願い致します。

文責:岩根卓史
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7月12日例会討論要旨

昨日の例会にて行われた討論要旨についてお知らせします。

【討論要旨】

許智香氏によって丸山真男「忠誠と反逆」の報告が行われた。討論では、これまで読んできた丸山の各論文と比べ、抽象的な概念を対照としている点、それをつめていく論理の方法から、言わんとしていることがとらえにくいという指摘があった。その上で、忠誠と反逆がどちらも機能としては国家を支えきたという点に丸山の感じた空しさがあったのではないかという意見が出た。また、何が正統=忠誠で、何が異端=反逆かを決めるシステムを解明してきたのではないかという仮説のもと、この「忠誠と反逆」と丸山の正統と異端論をセットで読むべきではないかという興味深い意見も出た。

文責:石原和
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7月12日例会について

明日の例会について、お知らせします。


報告:丸山眞男『忠誠と反逆』「忠誠と反逆」 

報告者:許智香


よろしくお願い致します。
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7月5日例会討論要旨

本日例会での討論要旨について、お知らせします。

【討論要旨】


本日は坂元宏之氏によって、丸山論文「歴史意識の「古層」」に関する報告が行われた。

最初にフロアから、丸山における「古層」論とその波紋に関する補論が述べられた上で、報告者の当該論文に関する問題関心についての質問が出された。これに対し報告者は、未だ言語化できていないが、丸山が示す基底範疇「つぎ」における絵巻物の例に関して違和感を生ずると返答した。

かかる問題に関しては、加えてフロアより丸山における芸能・芸術の例と、能楽との親和性に関する指摘がなされた。次に近年の丸山研究の動向との関連性から、丸山におけるどの段階から具体的に「古層」論の着想があったのかという質問が出た。

これに対して報告者は、明確な答えを出すことは叶わないが、およそ1960年代頃より丸山において「古層」論の着想が認められると返答した。

最後に、当該論文執筆時における丸山の現代中国認識・現代日本認識に関する質問が出た。これに対して報告者は、極めて難しい問題であるため、ここで的確に答えることはできないとした。

なお、かかる問題に関しては、今年度最初の例会で取り上げた『日本政治思想史研究』における丸山のアジア認識や「近代化」論をも踏まえ、連続性の中で考察してゆく必要があるだろう、という指摘もなされた。参加者は少なかったが、晩年の丸山を考察する上で重要な「古層」論を思想史の上でいかに捉えてゆくか、という問題について有意義な議論がなされたものと思われる。

文責:松川雅信
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7月5日例会について

明日の例会についてお知らせします。

報告:丸山眞男『忠誠と反逆』「歴史意識の「古層」」 

報告者:坂元宏之


よろしくお願いします。
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6月14日例会報告要旨

6月14日例会の報告要旨についてお知らせします。

よろしくお願いします。

【報告要旨】
本報告では丸山真男『「文明論之概略」を読む』中 の要約を行った。伝統的歴史方法論への批判から始まり、バックルに依拠しながら歴史を科学化する必要性を述べ、新たな歴史方法論として個ではなく集合体で考えそこに規則性、法則性を見出すことを述べている。

また、智徳に関する章では、智と徳を4つに区別し、さらに絶対か相対化、不変か進化か、などの違いをあげ、智と徳を説明している。

本報告は内容要約ということで、福沢の「文明論之概略」の説明になり、丸山本人の思想を読み取ることは困難だった。しかし丸山は智に関してInformation(情報)‐Knowledge(知識)‐Intelligence(知性)‐Wisdom(叡智)というレヴェル分けを行っている。丸山は、現代の情報社会では、情報偏重となり知恵が不足している。そのため、クイズに答えることができる人は多いが、時代状況に応じた判断を下すことができる人は少なく、情報レヴェルの問題には対処できるが、原因や判断といった知識レヴェルの問題に対処できない、つまり叡智を三角形の底辺とし頂点に情報が来る構造が情報最大・叡智最小の逆三角形になっていると指摘する。

こうした箇所から丸山の福沢に対する考えや思想の一端が読み取れる可能性があると思う。

文責:赤間宏貴
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6月28日例会報告要旨

先日の例会での報告要旨です。

6月14日の報告要旨と、先日の例会における討論要旨に関しては、後日お知らせします。

【報告要旨】


本報告では、丸山真男「思想史の考え方について―類型・範囲・対象―」を主題に、当該論文に至るまでの、世界、そして日本の「思想史」をめぐる動向と、その流れの中における丸山真男の位置を論点とした。

まず行ったのが、当該論文の要点整理である。特に、思想史の分類、「観念形態」の「成層」、思想史研究の位置などについては、図式化を交えての提示を試みた。次に、当該論文を補足する目的で、主に” History of Ideas”、” Intellectual History”、” Geistesgeschichte”、” Ideengeschichte”、また「文化史」等も視野に入れ、思想史が立ち上がってきた背景を紹介した。

その後あわせて、明治期以降の日本における思想史を取り巻く状況も振り返った。最後に、丸山氏の「思想史の方法を模索して」と「近代日本における思想史的方法の形成」という二つの論考を取り上げ、氏の思想史のつかまえ方、方法論について考察した。

過程から物事を説明することに焦点化した方法や「「実証」史家」に対する懐疑、思想の「連続性」「非連続性」のとらえ方や「社会史的な「反映」論と、実体化された「精神」の自己発展論とのディレンマ」に相対した丸山氏が提起する、思想の「アンビヴァレントな可能性」への着目は、今日も思想史に向き合う者に響く示唆ではないか。

文責:股座真実子
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